カテゴリ:学校だより
令和6年度3月号
学び続ける子ども 校長 門野 吉保
年末、文部科学大臣から中央教育審議会へ次の学習指導要領に関する諮問があり、最近の答申等を読み返してみると、様々なことが記述されています。これらをまとめると、例えば、
〇 生成 AI 等の情報技術は加速度的な進展をしており、グローバル化やデジタルトランスフォーメーションは労働市場に変容をもたらし、これからの時代の働き手には、新しいものを作り出す創造力や、他者と協働しチームで問題を解決するといった、AIやロボットによる代替えが困難な能力が一層求められている。
〇 人生100年時代、これまでの同一年齢での単線的な学びや進路選択を前提とした人生のモデルから、一人ひとりの学ぶ時期や進路が複線化する人生のマルチステージモデルへと転換することが予測されている。こうした社会に対応するために、学校における学びの多様化や社会人のリカレント教育が必要である。
〇 職業に直結した学びのほかにも、結婚や出産、育児、介護、病気、退職などライフステージの変化に応じて生じる様々な悩みの中で、人生を豊かにするための学びや、他者との学び合いを身近なものとすることが重要である。
〇 未来を生きる子どもたちには、基礎的な知識及び技能を習得させ、これらを活用する思考力・判断力・表現力等を育成するとともに、自らの学びに主体的に取り組む力、学びに向かう力をバランス良く育んでいくことが一層重要である。
〇 グローバルな視点から、地球規模の諸課題を自らに関わる問題として主体的に捉え、その解 決に向けて自分で考え、行動する力や、国際社会において活躍したり社会経済的な課題解決に参画したりする力を身に付けさせることが必要である。
予測困難な時代、一層先行きが不透明な中、社会が、私たち一人ひとりが答えのない問いに対してどう立ち向かうのかが問われています。目の前の事象から解決すべき課題を見い出し、主体的に考え、多様な立場の者が協働し、納得解を生み出すことなど、生涯にわたって学び続けるための資質・能力を育むことが重要です。
そのためには、子どもを主体として、他者との協働や課題解決的な学習などを通じて、深い学びを体験し、自ら思考する学習を実現し、学習内容を人生や社会の在り方と結び付けて深く理解させるとともに、子どもたちの興味・関心を喚起する学びを提供するなど学びを習慣化し、生涯にわたって主体的に学び続けるための態度を涵養することが必要なのです。
学校は、保護者や地域とともに、学び続ける子どもたちを育ててまいります。
公開日:2025年03月07日 17:00:00