カテゴリ:学校だより
令和6年度 8・9月号

カテゴリ:学校だより 令和6年度 8・9月号


実り多き2学期に       校長 門野 吉保
 
 7月22日、米大統領選から現職大統領が撤退しました。8月5日、急激な円高とともに、日経平均株価は過去最大の下落幅を記録しました。8日、宮崎県東部沖合の日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、南海トラフ地震臨時情報が発表されました。14日、現職の総理大臣が総裁選不出馬を発表しました。22日、ようやく福島原発での燃料デブリの試験採取が始まりました。
 様々なニュースが今夏ありましたが、パリ五輪でのサッカーやバレーボール、バスケットボール、柔道やレスリング、ブレイキン、やり投げなど日本の活躍は連日報道され、私たちに大きな感動とたくさんの勇気や希望を与えてくれました。今大会では、女子選手の出場枠が五輪史上
初めて男女同数となりました。混合種目も増えてきましたが、男女の区別がない種目は馬術だけだそうです。
 また、開閉会式の演出、選手村の運営、セーヌ川の水質、表彰台での記念写真、金メダルの品質など様々なことがメディアに取り上げられました。特にSNSによる選手個人への誹謗中傷が大きく注目を集めたのもパリ五輪の大きな特徴でした。柔道の女子選手が負けて号泣している姿にも心無い言葉が容赦なく浴びせられました。SNSへの投稿については侮辱罪や名誉棄損罪などの刑法に抵触する可能性がある場合には身元を特定されることはありますが、SNSは匿名性が高く誹謗中傷が起きやすい環境にあり、さらにそこに歪んだ正義感が加われば攻撃性が殊更増すのでしょう。
 昨年10月に文部科学省が発表した令和4年度の小・中・高等学校及び特別支援学校におけるいじめの認知件数は、68万件を超え過去最多となりました。互いに助け合って、協力し合って成り立つのが社会や家庭、学校、教室です。法令や規則、決まりことを守るだけではなく、「互いに気持ちよく生活するために、自分がされて嫌なことは他人にしない」という当たり前のことが軽視されているような気がします。子供たちが活躍する20年後の社会では、人種や宗教、歴史や文化、言語など多種多様な人々と協働してやり遂げる資質・能力が確実に必要になっています。異質なものは排除する、かかわらないではなく、相手を知る、妥協点を見つけるために徹底的に議論するコミュニケーション力が重要なのだと、パリ五輪の閉会式で世界各国のアスリートが交流している姿を見て改めて考えさせられました。
 さて、2学期はスポーツフェスティバルや展覧会・造形活動、たて割り班活動などがあります。これらの活動を通して、達成感や充実感を味わい、一人ひとりが仲間とともに確実に成長できるよう取り組んでまいりますので、引き続き、ご理解とご協力をいただきますようよろしくお願いします。

公開日:2024年10月28日 13:00:00
更新日:2024年10月28日 17:25:47