カテゴリ:学校だより
令和6年度 5月号

カテゴリ:学校だより 令和6年度 5月号

みんなで考えて、一緒に行動しよう!

校長 門野 吉保

昨年12月の新聞に、モルディブが計画している「水上都市」についての記事がありました。2050年にも、モルディブは気候変動により、全人口約50万人が海に飲み込まれるという危機を前に、サンゴ礁の上に世界最大級の水上都市を建設するそうです。すでにモデルハウスもあり、水上都市の住居は、海底と伸縮する柱でつなげて海面が上昇しても沈まない構造です。また、電気は屋上の太陽光パネルや潮流を利用して発電し、空調は海水をくみ上げた冷たい水を使い、飲み水や生活用水も海水をろ過して使用するそうです。この技術を提供しているのがオランダです。オランダは国土の25%が海抜0m以下のため、古くから治水技術が発達し、すでに多くの運河に1万戸にのぼる浮体式の水上住宅が建設されており、なんと、農場やオフィスまであるそうです。水に浮かぶ浮体式水上住宅は、水と共生しているので地震や津波、洪水にも強いそうです。

 地球温暖化など気候変動による水没の危機については、昨年2月、初めて国際連合安全保障理事会において海面上昇が議論され、ニューヨークやロンドン、上海などの都市名を挙げて警告しています。11月には、水没する危機に直面している太平洋にある小さな島国ツバルは、オーストラリアへの移住を可能にする2国間協定を結びました。

 本校では、第6学年の総合的な学習の時間「わたしたちにもできるSDGs」という単元の中で、子供たちはグループに分かれて、自分たちで興味や関心のある課題を設定し、情報収集をしながら解決策を考え、自分たちでできることを実践する、という学習に取り組んでいます。2月の能登半島地震への募金活動もそのひとつでしたが、その他にも、給食の残菜を減らす、ごみの減量などもありました。校内放送やポスターで全校児童に呼びかけたり、実際に校外にでてごみ拾いをしたりし、各グループがそれぞれの取組の内容や成果を発表して学習をまとめます。

 環境問題は、国や地域ではなく地球規模で考えなくてはなりません。そのためには、言語や宗教政治や文化の違いなどを乗り越えて、知恵を出し合い、取り組むことができる共生社会の実現が必要です。子どもたちには、身近にある様々な課題に気付き、解決に向けて行動できるとともに、自分を大切にし、また自分と同じように他者も大切にできる心を育てていきたいと思います。

 

〇令和6年度 5月号(PDF:614KB)

公開日:2024年04月30日 14:00:00
更新日:2024年09月26日 16:17:10